「擦る」「磨る」「擂る」の違いを楽しく学ぼう

おなじ読みで、ちがう意味

日本語には同じ「する」という読み方を持つ漢字がいくつもあります。その中でも「擦る」「磨る」「擂る」は、見た目も似ていますが実は意味や使い方が微妙に異なります (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。親子で一緒に、この3つの漢字の違いを楽しく学んでみましょう!

「擦る」「磨る」「擂る」の意味の違い

まずはそれぞれの漢字の意味とニュアンスを確認します。それぞれ**読み方は「する」**ですが、意味が違うので使われる場面も変わってきます (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。漢字の成り立ちもヒントになるので、少しだけ紹介しますね。

ポイントまとめ: 簡単に言うと、「擦る」は摩擦を加えてこすること、「磨る」は磨いて表面を滑らかに整えること、「擂る」は力をかけて物を細かくすり潰すことです (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)。覚え方のコツとしては、「擦る=こする」「磨る=磨く(表面を整える)」「擂る=すり潰す」とイメージすると分かりやすいですね (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)。

使われるシチュエーションの違い

上で見たように、それぞれ意味が違うため使われる場面にも違いがあります。日常生活での使い分けの例を考えてみましょう。

  • **「擦る」**は日常的によく出てくる動作です。たとえば、消しゴムで紙を擦る寒いときに手を擦り合わせて温める転んで膝を擦りむく(擦り傷を作る)など、物と物を強くこすり合わせる場面で使います (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。摩擦で熱を出したり、汚れを落としたり、傷をつけたりするときの表現ですね。
  • 「磨る」は何かを磨いて滑らかにしたり、少しずつ削る場面で使います。書道で固い墨を硯で擦って磨り潰すのは「墨を磨る」ですし、長く履いた靴の裏がすり減った状態は「靴底が磨り減った」と言います (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。他にも、「神経を磨り減らす」という表現もあり、これは直訳すると神経をすり減らすですが、実際には「とても気疲れしてヘトヘトになる」という意味の慣用句です (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。このように「磨る」は物理的にも比喩的にも「少しずつすり減らす・磨耗する」ニュアンスで使われます。
  • 「擂る」は料理や工作などで材料をすり潰す場面でよく登場します (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)。例えば、料理でゴマを擂ってすりごまを作ったり、すり鉢とすりこぎ棒で薬草を擂り潰したりする場合です。「ゴマを擂る」という表現は、実際にゴマをすり潰す意味のほかに「目上の人にお世辞を言う(ご機嫌を取る)」という意味の慣用句にもなっています(いわゆる「ごますり」) (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。また、小さな子が粘土遊びで粘土を擂り潰して混ぜたりする動作にも「擂る」が当てはまります。日常会話では「ミキサーで砕く」「乳鉢ですり潰す」と言うことも多いですが、「擂る」という漢字を知っていると料理本などで出会ったときに役立ちます。

それぞれの使い方の例文

では、「擦る」「磨る」「擂る」を使った具体的な例文を親子でいくつか見てみましょう。実際の使い方をイメージできると、違いもさらにはっきり理解できます。

  • **擦る(こする)**の例文
    • 「寒かったので両手を擦って暖めた。」
      (さむかったので りょうてを こすって あたためた。)
      → Cold day, I rubbed my hands together to warm them up.
    • 「転んで膝を擦りむいちゃった。」
      (ころんで ひざを すりむいちゃった。)
      → I fell and scraped my knee.
    • 「暗くてマッチが見えないね。マッチを擦って火をつけてみよう!」 (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)
      (くらくて マッチがみえないね。マッチを すって ひをつけてみよう!)
      → It’s dark and I can’t see the match. Let’s strike a match to get some light!

    ※「擦る」はこのように何かと何かをこすり合わせる全般に使えます。ちょっとした違いですが、優しくなでるようにこする場合は「摩る(さする)」という別の漢字を使うこともあります(例えば痛い背中をさすってあげる、など) (〖言葉〗摺ると擦るの違い | 池袋に近い板橋「橋袋」の茶道の教場《月桑庵》~習心帰大道~)。

  • **磨る(する)**の例文
    • 「授業で使う墨汁を作るために、みんなで墨を磨りました。」
      (じゅぎょうでつかう ぼくじゅうをつくるために、みんなで すみを すりました。)
      → We ground the ink stick (on the ink stone) together to make ink for class.
    • 「大工さんが木材の表面をヤスリで磨っているね。」
      (だいくさんが もくざいのひょうめんを ヤスリで すっているね。)
      → The carpenter is sanding (grinding) the surface of the wood with sandpaper.
    • 「お兄ちゃんの靴は毎日遊び回っていたから、靴底が磨り減っちゃったね。」 (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)
      (おにいちゃんの くつは まいにちあそびまわっていたから、くつぞこが すりへっちゃったね。)
      → Big brother’s shoes have been played in every day, so the soles are worn down.

    ※「磨る」は磨いて滑らかにする、すり減らすという使い方が中心です (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)。「磨り減る」「磨り潰す」などは日常でも使いますし、「神経を磨り減らす」のように比喩的表現にもなります (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。普段は会話で「磨る」という漢字を意識することは少ないかもしれませんが、文章で見ることがあります。

  • **擂る(する)**の例文
    • 「料理の仕上げに使うゴマを擂っておいてくれる?」 (「磨る」「擦る」「擂る」の違いとは?日本語表現を正しく使い分ける方法 | ハッピースリープ)
      (りょうりの しあげに つかう ゴマを すって おいてくれる?)
      → Could you grind some sesame seeds for the dish’s finishing touch?
    • 「離乳食用に野菜を擂り潰すにはすり鉢が便利です。」
      (りにゅうしょくように やさいを すりつぶす には すりばちが べんりです。)
      → A mortar and pestle is handy to mash vegetables for baby food.
    • 「おばあちゃんは昔、自分で薬草を擂って薬を作っていたんだって。」
      (おばあちゃんは むかし、じぶんで やくそうを すって くすりを つくっていたんだって。)
      → Grandma said she used to grind herbs herself to make medicine in the old days.

    ※「擂る」はものを粉々にする、ドロドロにする場面で登場します (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。上の例のように料理や薬作りで活躍する言葉です。「ミキサーですり潰す」と言い換えることもできますが、「擂る」という動詞を知っていると文章を読むときに意味がすぐ掴めますね。

子供に分かりやすく説明する方法

漢字の意味の違いは大人には理解できても、子供には少し難しいことがあります。そこで、親御さんがお子さんに**「擦る」「磨る」「擂る」**の違いを説明するときのコツや、楽しく学べる工夫を紹介します。

1. 身近な動作でたとえる

それぞれの漢字の意味を、子供が日常で経験している身近な動作に置き換えてみましょう。

  • 「擦る」は手や物でゴシゴシこする動きです。例えば、「寒いときに手を擦り合わせる動き」や「消しゴムで紙をこする動き」が「擦る」だと教えてあげましょう。実際に子供と一緒に手を擦り合わせてみると、「あ、これが擦るなんだ!」と体感できます。面白がって**「もっと速く擦ったら温かくなるね!」**なんて話をすれば印象に残るでしょう。
  • 「磨る」は物を削ったり磨いたりしてピカピカにすることです。これは例えば「靴みがき」や「包丁を研ぐ」動作で説明できます。お子さんと一緒に鏡やコップを布で磨いてみるのも良いでしょう。「磨る=磨いてツルツルにすることだよ」と伝え、実際に磨いた後のピカピカ具合を見せると理解しやすいです。学校で書道の授業がある年齢なら「墨をする体験」を思い出させて、「墨を石ですりすりして黒い液を作ったでしょ?あれが『墨を磨る』だね」と教えるのも効果的です。
  • 「擂る」は食べ物や物を細かくすり潰すことなので、おままごと料理のお手伝いで体験させるのが一番です。安全にできる範囲で、親子でゴマをすり鉢で擂ったり、バナナをフォークで潰したりしてみましょう。**「擂るとドロドロ(または粉々)になるよ」**と実物を見せながら説明すると、「擂る=細かくすること」と直感的に理解できます。「魔法の実験」みたいで子供も楽しめますね。

2. オノマトペ(擬音語)を活用する

子供には音で覚える方法も効果的です。それぞれの動作に合った**擬音語(オノマトペ)**を教えると、違いがイメージしやすくなります。

  • 「擦る」は**「ゴシゴシ」**という音がぴったりです。「ゴシゴシ擦る」とセットで教えると、強くこする感じが伝わります。
  • 「磨る」は表面を磨くときの**「キュッキュッ」や、少し削れる「シャッシャッ」**という音を想像すると良いでしょう。例えば窓を拭いて磨くと「キュッキュッ」と音がするよ、と教えれば「磨る=ピカピカにする音」と結びつきます。
  • 「擂る」はすり鉢で何かを潰すときの**「ゴリゴリ」**とか「すりすり」という音です (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)。実際にすり鉢を使うと「ゴリゴリ…」と音がするので、一緒に音を聞きながら「これが擂る音だね」と伝えると忘れにくいでしょう。

音と結びつけることで、後で思い出すときに**「ゴリゴリは…擂る!」「ゴシゴシは擦るだ!」**という具合に連想できるようになります。

3. 漢字の形やイメージで覚える

漢字そのものの形の由来を簡単に話してあげるのも、子供にとってはちょっとしたクイズのようで面白いかもしれません。

  • **「擦」**は手偏(てへん)に「察」という字が付いています。「察」は警察の「察」で、お寺の屋根と祭壇と手を組み合わせた字です…と言っても難しいので💦、「手偏が付いているから手でゴシゴシする漢字だね」と教えましょ (擦 | 漢字一字 | 漢字ペディア)】。実は「察」はものをこするときの音や、触って確かめるという意味があったとも言われま (〖言葉〗摺ると擦るの違い | 池袋に近い板橋「橋袋」の茶道の教場《月桑庵》~習心帰大道~)】。子供には「手+察で擦る。察は摩擦の“サツ”と覚えよう!」くらいの語呂で十分です。
  • 「磨」は石偏に麻(あさ)という字です。「麻」は麻婆豆腐のマなどと言えば「あ!」と興味を引けるかも。実は麻=アサは繊維をほぐす様子から「こする」意味も持つんだってと豆知識を入れつ (漢字の覚え方 麻 – 風船あられの漢字ブログ)】、「石と麻でできているから、石ですり減らすのが磨るなんだよ」と教えると、漢字の形と意味がつながります。
  • **「擂」は手偏に雷(かみなり)です。これは「すり潰すときに雷みたいな音がするから」**と説明してあげましょ (「擦る」「磨る」「擂る」の違い | 日本語早わかり)】。「ゴリゴリゴロゴロ…確かに雷みたいだね!」と子供もイメージしやすくなります。「雷」を知っている子なら、「手で雷(みたいな音を立てて潰す)=擂る」と覚えられるでしょう。

4. クイズやゲームにする

理解が深まったら、最後に親子で小さなクイズをするのもおすすめです。例えば、

  • クイズ例: 親御さんがジェスチャーで何かをするフリをして、「これは擦る?磨る?擂る?」と当ててもらうゲーム。手を擦り合わせるジェスチャーをして「何をしてるでしょう?」→子供が「こする!だから擦る!」と答える、といった具合です。正解したら「ピンポーン!大正解!」と褒めてあげましょう。外で遊んでいるときや、お料理中などにも**「今お母さんがやっているのは擂るかな?擦るかな?」**と問いかければ、その場で復習ができます。

遊び感覚で繰り返し触れることで、子供は飽きずに覚えられます。親子の会話の中で自然に使い分けを練習できるといいですね。

英語・中国語・韓国語・フランス語での表現

日本語では「する」という同じ読みの漢字違いで表現しましたが、他の言語ではそれぞれ別の言葉で表現します。それぞれの言語での適切な訳語とニュアンスの違いを見てみましょう。日本語ほど細かく分けない場合もあるので、違いを知っておくと面白いですよ。

英語の場合

英語では、「擦る」「磨る」「擂る」に相当する動作は別々の動詞で表現されます。日本語より状況によって使い分けがハッキリしています。

  • 擦る: 基本的には “rub” という動詞が使われま (擦るって英語でなんて言うの? – DMM英会話なんてuKnow?)】。例えば「目を擦る」は “rub one’s eyes” です。また、物をゴシゴシこする場合は “scrub” を使うこともありま (擦るって英語でなんて言うの? – DMM英会話なんてuKnow?)】(例:お皿を洗うときにスポンジで擦る = scrub the dishes)。「マッチを擦る」は少し特別で、英語ではマッチを「擦る」とは言わず “strike a match”(マッチを擦って火をつける)と言います。「車を擦る(こすって傷つける)」は “scratch the car” のように、場合によって動詞が変わる点も英語の特徴で (擦るって英語でなんて言うの? – DMM英会話なんてuKnow?)】。
  • 磨る: 英語にはズバリこれ!という単語はないのですが、状況に応じて “grind” や “polish” などを使います。grind(グラインド) は「石や機械で挽く・研ぐ」意味で、「墨を磨る」は “grind an ink stick” と表現できます。またpolish(ポリッシュ) は「磨いてつやを出す」意味なので、例えば「金属を磨る(磨いて光らせる)」は “polish metal” と言えます。「靴底が磨り減る」は “wear down the soles (of shoes)” のようにwear down(すり減る)を使う方が自然です。つまり英語では、磨いて滑らかにする動作は polish、削って減らすニュアンスは wear down、何かを研磨する作業は grind と、内容によって表現が変わります。
  • 擂る: 英語では「挽く・すり潰す」動作全般に “grind”“crush” を使います。例えば「ゴマを擂る」は “grind sesame seeds” です。コーヒー豆を挽くのも grind coffee beans ですね。crush(クラッシュ) は「(固いものを)砕く・押し潰す」で、「擂る」の力強い感じはこちらでも表せます(例:crush garlic = ニンニクをすり潰す)。mash(マッシュ) も「(柔らかいものを)潰してドロドロにする」で、「擂り潰す」に近いです(例:マッシュポテト=mashed potatoes)。英語では目的によって動詞が色々ありますが、「擂る」に当たるすり潰す行為grind/crush/mash などで表現します。

中国語の場合

中国語でも、日本語の「擦る」「磨る」「擂る」に相当する動詞は別々です。ただし、日本語ほど細かく漢字を使い分けるよりは、文脈で判断することも多いです。主な表現を紹介します。

  • 擦る(こする): 「擦」(cā) という動詞があり、これが最も一般的な「擦る」に相当しま (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。例えば「目を擦る」は中国語で “揉眼睛(róu yǎnjing)” と言いますが、これは「揉(もむ)」を使っており、「擦る(揉む)ように目をこする」というニュアンスです。また、「マッチを擦る」は “划火柴(huá huǒchái)” と言いま (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。「划」は「線を引く、擦って火をつける」という意味で、火柴(マッチ)をシュッと擦る動作を表しています。つまり、中国語では擦る対象によって「擦(cā)」「揉(róu)」「划(huá)」などいくつか使い分けます。いずれも物と物をこすり合わせるという点は共通しています。
  • 磨る(する): 中国語では**「磨」(mó)** という字がそのまま**「磨く・研ぐ」の意味で使われま (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。例えば「磨墨(mó mò)」は「墨をする」、つまり墨を磨ることで (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。他にも「磨刀(mó dāo)」は包丁を研ぐ、「打磨(dǎmó)」は研磨する/磨きをかける、といった具合に使います。また、「すり減らす」という意味では「磨损」(mósǔn)「磨灭」(mómiè)**といった言い方もあります(靴底が磨り減る=鞋底磨损)。つまり、中国語の「磨(mó)」は日本語の「磨る」「磨く」に近い広い意味を持ち、物を研ぐ・磨耗させる場合に使われます。
  • 擂る(する): 中国語で「擂る」にぴったりの表現は、一つの字というより組み合わせ表現になることが多いです。「擂」という字自体も中国語にあり、「擂钵」(léibō) はすり鉢の意味で (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。しかし動詞としては、「擂る(すり潰す)」は**「捣碎」(dǎosuì)「碾碎」(niǎnsuì)などで表現しま (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。「捣(dǎo)」も「碾(niǎn)」も「潰す・ひく」という意味で、「碎(suì)」は細かく砕くことです。例えば「ゴマを擂る」は “把芝麻擂碎(bǎ zhīma léi suì)” とも言えますし、簡単に “磨芝麻(mó zhīma)” と言っても通じます。「磨碎」(mósuì)という表現もあり、こちらも「磨り潰す」に近いです。要するに、中国語では擦る=擦/揉、磨る=磨、擂る=捣碎/碾碎**のように表現し、必要に応じて別の動詞を組み合わせてニュアンスを補いま (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典) (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】。

韓国語の場合

韓国語でも、これら3つの動作はそれぞれ違う単語を使って表します。韓国語の動詞は日本語以上に状況別に細かく分かれている印象です。

  • 擦る(こする): 韓国語で一般的に「擦る」は “문지르다”(ムンジルダ) もしくは “비비다”(ビビダ) と言いま (韓国語の「こする」-ピビダとムンチルダはどうちがう?)】。문지르다 は手などで物の表面をこする意味で、床を擦るとか体を洗うときに擦る動作に使われます。一方 비비다 は「擦り合わせる」というニュアンスで、目をこする時や両手を擦り合わせる時によく使われます(例:「目をこする」=눈을 비비다 (52. こする(擦る) | ワンツーパンチ)】。また、固いもので引っかくように擦る場合は “긁다”(クルッタ)=掻く/擦る を使うこともありま (韓国語学習「こする」と「拭く」の使い分けをマスター!具体的な …)】(例:車を擦る=자동차를 긁다)。このように、韓国語では優しく擦るか強く擦るかで動詞が変わるのがポイントです。
  • 磨る(する): 何かを磨いて滑らかにする動作は、韓国語では “갈다”(カルダ) という動詞が使われることが多いです。갈다 には「研ぐ・挽く・磨く」など広い意味があり、例えば「包丁を磨る(研ぐ)」は “칼을 갈다” と言います。日本の書道で「墨をする」動作も韓国語では “먹을 갈다”(墨=먹 (モク) を 갈다)と表現します。まさに갈다が「磨る/研ぐ」に相当します。また、磨耗してすり減る場合は “닳다”(タルダ) という動詞があり、靴底が磨り減るは “신발 밑창이 닳았다” と言います。まとめると、韓国語では갈다で「磨いたり挽いたりする」全般をカバーしつつ、文脈により닳다(すり減る)も使うといった使い分けです。
  • 擂る(する): 韓国語で物をすり潰す動作には “빻다”(パッタ) や “찧다”(チッタ) などの動詞があります。빻다 は臼や乳鉢で穀物や種を砕く「挽く・ひく」動作を指し、「ゴマを擂る」は “참깨를 빻다” と言います(참깨=ゴマ)。“찧다”は杵などで搗(つ)くように潰す動きです。ただし日常ではミキサーを使ったりするので、“갈다”も広義では使われます(믹서로 갈다=ミキサーですり潰す)。韓国語はこのように具体的な道具や動きで動詞が変わりますが、「擂る」に相当する伝統的な方法なら빻다がイメージに近いでしょう。

フランス語の場合

フランス語でも、これらの動作は異なる動詞で表します。英語と少し似ていて、状況に応じて動詞を選びます。

  • 擦る(こする): フランス語で「擦る」は “frotter”(フロッテ) が代表的です。「目を擦る」は “se frotter les yeux”、「手を擦り合わせる」も “frotter ses mains” と言います。frotter は一般的な「こする」ですが、強くゴシゴシ擦る場合は “frotter vigoureusement” のように副詞を付けたり、別の動詞 “récurer”(こすって磨く/洗う)を使うこともあります。また、「マッチを擦る」はフランス語では “gratter une allumette” と表現しま (擦るって英語でなんて言うの? – DMM英会話なんてuKnow?)】。「gratter」は本来「引っかく・ひっかいて削る」の意味で、マッチの場合は日本語と同じく摩擦で火をつける動作なのでgratterが使われます。
  • 磨る(する): 表面を磨いてツヤを出す場合、フランス語では “polir”(ポリール) や “lustrer”(リュストレ) などがあります。例えば「鏡を磨る(磨いて綺麗にする)」は “polir un miroir” と言えます。また、刃物を研ぐ場合は “aiguiser”(エギュイゼ) や “affûter”(アフュテ) が使われます(包丁を研ぐ=aiguiser un couteau)。何かを紙やすりで削って滑らかにする場合は “poncer”(ポンスェ) とも言います(木を磨る=poncer le bois)。このようにフランス語では「磨る」の意味合いが磨く目的別に細かく分かれており、**polir(磨いて光らせる)aiguiser(研いで尖らせる)**ではニュアンスが異なります。
  • 擂る(する): フランス語で物をすり潰す動作には “broyer”(ブロワイエ) や “piler”(ピレ) が使われます。broyer は「粉々に砕く・すり潰す」で、例えば「ゴマを擂る」は “broyer des graines de sésame” と言います。「薬草を擂る」なら “broyer des herbes médicinales” です。piler は「乳鉢などで砕く」のニュアンスで、piler du poivre(コショウを擂る)のように使います。身近なところでは、ニンニクを潰すのも “écraser de l’ail”(エクラゼ ドゥレイユ)という別の動詞(écraser=押し潰す)になります。フランス語も英語同様、一言で「擂る」に当たる単語があるわけではなく、grinder系の動詞(broyer/pilerなど)で状況に合わせて表現する形です。

以上のように、各言語で表現は異なりますが、「擦る=rub/frotter」「磨る=grind/polir」「擂る=grind(crush)/broyer」といった対応関係があります。ただし完全に一対一対応ではなく、言語ごとの習慣に沿って言い分ける必要がある点が面白いですね (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典) (擦るを中国語で言うと – コトバンク 日中辞典)】

まとめ

最後に「擦る」「磨る」「擂る」のポイントをおさらいしましょう。

日本語の微妙な表現の違いを親子で楽しく学ぶことで、語彙が豊かになるだけでなく、言葉に対する興味も深まります。「擦る」「磨る」「擂る」を上手に使い分けて、ぜひ表現名人になってくださいね!


参考にした出典

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